作成日:2019/11/11
事務所だより2019年11月
定額残業代を導入したい
ある会社で働き方改革を進めた結果、残業が減ったため従業員から給与が減ったと不満が出ました。残業時間を削減しても一定額の残業代を支給できる「定額残業代」を導入したいといったお問い合わせがありました。
定額残業代の導入にはメリットとデメリットがあります。メリットしては、残業削減の努力をしてきた従業員の給与を減少させない、給与計算事務の負担を軽減したい、定額残業代の範囲で仕事を終わらせるメッセージになるといったことが挙げられます。
一方デメリットとして、過度な残業時間相当分の手額残業代を設定することで過労が起きる、給与総額を多く見せているとして人材募集で不適切と指摘される、定額残業代以上の残業をしても残業代の未払いが起きトラブルとなるといったことが発生します。
定額残業代導入の留意点としては、
@定額残業代の額や何時間相当かを労働者に示す、
A実際の時間外労働による残業代が定額残業代を超えた場合にはその差額を清算する、
B定額残業代と基本給のバランスをとる、
C長時間労働を引き起こす時間相当になる多額の定額残業代にしないなどです。
いずれにしても便利な制度と考えるのではなく、労働者の健康に配慮した健全な制度設計にして下さい。