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同一労働同一賃金が実現されます。

2018.05.01

 同一労働同一賃金を目指した法案が秒読みです。なぜ今、同一労働同一賃金は必要なのでしょうか。バブル崩壊後、低賃金な非正規労働者が、労働者全体の4割にまでなり、これにより少子化、その後の消費の低迷につなり日本全体の経済がなかなか上向きになりません。非正規労働者の賃金を上げ、消費活動を活発化させ景気の底上げをするために、企業に同一労働同一賃金を求めている結果なのです。つまり労働政策ではなく、経済政策が背景にあります。
 この法案が施行されると企業への影響は次のようなものが出てきます。①パートだからといって同じ仕事をしている正社員よりも引く賃金で対応することが難しくなる。②従来、経験、能力、年功といった人によって決めていた賃金は、仕事の質、内容によって決める仕組みになる。③通勤手当、賞与、退職金とは、雇用形態、身分の差によって支給の有無を決めることができない。④ひとたび非正規労働者から、正規労働者との待遇差を不合理な取扱いであると言われると、企業側は「説明」する責任しなければならない義務を負う。
 それでなくても中小企業では、人手不足の中、賃金コスト上昇に悩んでいる中、新たな問題が出てきます。

就業規則見直しのポイント②

2018.04.01

 就業規則を見直しする際、前号に引き続き最近の気になる見直しのポイントについて述べます。
●私傷病休職について(その二)
 私傷病休職で一番トラブルの多い場面は職場復帰のときです。職場復帰の条件を特段明記せず曖昧にしていると、決まって労使トラブルとなります。規則には、①「休職前に行っていた通常の業務を遂行することができる程度に回復した状態」であること、②具体的に復帰可能な状態を列挙しておくことが必要です。
 残念ながら休職期限に回復せず、職場復帰出来できないときは、「退職」の規定により休職期間満了で退職となります。よく休職期限に職場復帰できないときは「解雇する」と記載された規則もありますが、会社からの一方的な解雇ではなく、労務不能による退職(自然退職)をお勧めします。
 なお職場復帰できる、できないでトラブルになったときは、精神疾患になった原因は職場(会社)にあり、これは労災だと主張されるときもあります。労災認定は国が行いますので、国の判断に任せるしかないのですが、労災認定されると退職のハードルは高くなり、解雇の問題につながります。そのため労災認定の要因となる職場の過重労働や各種ハラスメント等は避けるべきです。

就業規則見直しのポイント①

2018.03.01

 この時期、就業規則の見直しをする企業さんが多くご相談に来られます。最近の気になる見直しのポイントについて述べます。
●私傷病休職について(その一)
 多くの会社で「3か月以上欠勤が続いたとき」休職を命ずるといった規定になっています。しかし精神疾患は、断続的に欠勤することが多いため、「日常業務に支障きたす程度(概ね2週間程度)欠勤が続くと認められる場合」は休職を命じ、治療に専念させた方が適切です。
 一旦復職した後でも、しばらくして再度同一若しくは類似した疾病で休職を繰返す場合があるため、一定の期間内の再発であれば休職期間を通算する規定が必要となります。
 会社が職場復帰は難しいと判断しても、主治医等による「就労可能」とする診断書を提出して復職を訴えてくる場合があります。職場復帰できる場合とは、単に会社に来て軽作業はできるという意味ではありません。「休職前に行っていた通常の業務を遂行することができる程度に回復した状態」であると明確に定義する必要があります。その判断は会社の指定医(産業医)の診断書をもとにして「会社が判断する」と記載してください。

長時間労働の原因は何?

2018.02.01

 長時間労働が慢性化している企業にとって今「働き方改革」は緊急の課題となっています。厚労省では改善の取組み事例を公表しています。その中の一部を紹介します。

①意識に問題あり:トップ、管理職、一般社員の意識を細かく分けて、それぞれの対策を立てます。経営トップが長時間労働を是としている。管理職が忙しいと言って長時間労働の削減意識が低い。一般社員で仕事が趣味になってしまっている。それらの各層に対して具体的な対応をはかります。

②マネジメントに問題あり:上司の考え次第で部下の働き方や休みの取り方が左右され、マネジメントの標準化がされていない。管理職への人材育成やマネジメント力向上研修を行う必要があります。

③仕事特性、仕事のやり方に難あり:品質を過剰に追及する、社内向けの説明資料に必要以上に高いものを作成している、のであれば、資料内容の簡素化・標準化等の対策が必要です。また特定の部署・社員に仕事が集中しているのであれば、仕事の棚卸しをして各人の業務負荷を見える化をして調整します。

 厚労省のサイト「働き方・休み方改善取組事例集」に多くの事例がありますのでご参考ください。

時間外労働の上限100時間の根拠って何?

2018.01.01

 平成30年は労働基準法など働き方改革関連法案の成立が予想されます。最も注目すべきなのは、時間外労働(残業)の上限規制です。これまで実質無制限であった時間外労働は、特別の事情があるときでも、①年間720時間以下、②1ヶ月最大100時間未満、③直近2~6ヶ月の各平均80時間以下(②③か休日労働を含む)を上限とし、罰則も設けられます。

 ではこの100時間、80時間の根拠はどこにあるのでしょうか。働く人の生活時間を考えると、1日24時間から労働時間8時間、昼休み1時間、通勤1時間、食事・風呂・団らん等4時間の14時間を差し引くと残り10時間となります。この10時間は睡眠時間と残業時間に使われます。通常、睡眠時間を8~7時間とれると医師等による疫学調査から、脳・心臓疾患発症リスクがほとんどないということが分かっています。ところが睡眠時間が5時間では、この発症リスクがあり、6時間でもありの報告が出ています。残業を5時間すると睡眠時間は5時間しかとれず危険となります。1日の残業5時間を月に換算する100時間、残業時間4時間で月80時間となります。時間外労働が多すぎると睡眠がとれず健康障害を引き起こすことが根拠となっているのです。

来年の無期転換社員への対応について

2017.12.01

 いよいよ来年の4月から無期転換社員が発生しますが、会社の対応策をまとめると次のようになります。

 ①無期転換を発生させたくないので、5年を超えて雇用契約を更新しないという合意を労働者とかわす。しかし、単に無期転換権を付与したくないので更新しないという理由では法的なリスクがありますので慎重に対応すべきです。

②無期転換を認め、次の3つの手段をとる。

 ア)とりあえず無期転換社員にする。雇用期間以外の契約内容はそのまま維持できますのでこの方法をとる企業が大部分です。なお、就業規則等で定年の定めを規定してください。イ)地域や職種、短時間に限定した多様な正社員制度を導入する。いきなり有期労働者を正社員に登用にすることに抵抗のある会社であれば有効です。しかし人件費が増加します。ウ)正社員に登用する。有能な人材を正社員化することですが、これも人件費が増加します。エ)だまって従来の有期雇用を更新し続ける。予期せぬ無期転換権行使に備えた対応は必要です。

 今後こういった無期転換権については労働者も高い関心をもって企業に臨んできます。また企業側でも人手不足の中、人材確保といった面からも、早急な対応が望まれます。

日本郵便の事件から

2017.11.01

 日本郵便の契約社員3人が、正社員に支払われている各種手当が契約社員に支払われないのは労働契約法違反にあたるとして、日本郵便に計738万円の支払いを求めていた訴訟で、東京地裁は9月14日、日本郵便に対し計約92万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。
 契約社員と正社員で賃金の決定基準やルールに違いがある場合には、職務の内容、職務の内容・配置の変更範囲、その他の事情を総合的に考慮して判断されます。いずれの場合にも合理的で客観的な理由がなければ、待遇の差異が認められないので注意が必要です。職務の内容等が正社員と同じフルパートや、今後増えてくる無期雇用社員から「やっている仕事・責任が正社員と同じなのになぜ給与が違うのか」と問われたときに、答えられるようにしておくことが必要になってきます。
 企業対策として、昨年の12月に政府から出された「同一労働同一賃金ガイドライン」に具体的な事例が記載されていますので参考にするといいでしょう。また簡単なものでいいですから、有期社員と正社員の職務分担表を作り、職務内容・責任等を区分してそれらを適切に評価し、賃金等の待遇に結びつける仕組みを作るとよいかと思います。

無期転換権への対策準備は進んでいますか④

2017.10.01

 有期労働契約が5年を超えて繰り返し更新された場合に、労働者の申込みによって無期労働契約に転換する者が来年4月以降発生します。
 多くの企業では、定年の定めを満60歳とし、その後5年間経過した65歳まで継続雇用をしています。ところが65歳になった時点で再度再雇用契約をすると、有期労働契約が5年を超えるため、継続雇用者は無期転換の申込みをすると事業主は認めざるを得なくなります。特別な能力を持つ者や企業に必要な有資格者などは、65歳以上でも必要とされています。とはいっても65歳の方に無期を主張されても企業は困ります。
 このような継続雇用者に対しては、必要な手続きを踏むことで無期転換ルールが適用されない特例措置があります。つまり継続雇用者には無期転換の適用が除外されます。この適用を受けるためには、雇用管理措置に関する計画の認定申請が必要です。具体的には「第二種計画認定・変更申請書」を作成し、都道府県労働局長の認定を受けなければなりません。簡単な申請書ですから早めに提出をお勧めします。さらに継続雇用者には、定年後の雇用期間は無期転換申込権が発生しない期間である旨を書面で明示しトラブルにならないようにしてください。

無期転換権への対策準備は進んでいますか③

2017.09.01

引き続き無期転換権対策について検討します。

 平成25年4月以降の労働契約法の改正後も、漫然と契約更新を続けて5年を超えている会社では、そのような有期雇用社員に対して、いまさら無期転換なんて言わないだろうと、雇止めを通知したところ、いきなり無期転換の主張されることが予想されます。しかも就業規則がない場合、無期ですから「終身」の雇用を要求してきます。死ぬまで働くことができるのでしょうか。正社員の場合は就業規則等で定年の定めをすれば60歳で退職です(その後65歳まで継続雇用はありますが)。
 しかし有期雇用社員で就業規則がなく、無期転換後の定年の定めもない場合、終身雇用とされる可能性が高いものと思われます。また、あわてて就業規則を作ろうとしても、今度は不利益変更の問題もあり、本人が合意するのは難しくなります。来年3月までは無期転換後の社員の就業規則は作り、その中に定年(継続雇用も)の定めを記載しておくべきです。
 その場合、正社員または有期雇用社員用の就業規則を一部準用することも考えられますが、どこを準用しどこは準用しないかもよく検討して作成してください。

無期転換権への対策準備は進んでいますか②

2017.08.01

先月に引き続き無期転換権対策について検討します。

 ●雇用契約は次回更新をしない、または5年を超えて更新をしない旨の合意をとる。

 これは不更新合意といいます。この不更新合意については、いろいろなケースがありますが、最初に雇用契約を結ぶ段階から「通算5回を超えて雇用契約を更新しない」とする方法です。この場合、会社と労働者が合意して契約すると法的なリスクは低くなります。しかし、後々、「やはりこの人は5年を超えて残って欲しい」と例外を認め、このような例外者が多く出てくるとなると、労働者に契約更新の期待を持たせてしまうことになり、本当に不更新合意があった疑わしくなります。不更新合意をしている場合は、5年を超える契約の更新の既成事実を作らないことが必要です。
 また無期転換間際になって不更新合意を結ぶ方法もあります。「無期転換を当社では認められない」といって退職を告げるのです。しかし、これは単に無期転換権を認めたくないという理由だけの法の趣旨を逸脱する行為とみなされ、法的トラブルになる可能性があります。どうしても労働者との間に不更新合意をとりつけたいのであれば、十分に説明する、早めに説明する、慰労金などの金銭等の支払いも検討するといったことが必要でしょう。

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